楚の懐王が夢の中で巫山の神女とちぎったが、その神女は別れに際し、「私は巫山の南に住み、朝には雲となり、夕には雨となる」といって立ち去ったという『宋玉(そうぎょく)―高唐賦』にある故事から、男女が夢の中でいっしょになること。男女の情愛がこまやかであること。または、情交を結ぶことをたとえていう。
〔例〕「結婚して20年にもなるのに、いまだに枕を並べて巫山之夢を見ているなんて、うらやましいかぎりだ」とか、「美人女優と1度でいいから巫山之夢を見たいものだね」などと使ったりする。
〔類〕巫山雲雨(ふざんうんう)/朝雲暮雨(ちょううんぼう)/巫山之雲(ふざんのくも)/巫山之雨(ふざんのあめ)