日本銀行が金融政策の操作目標を、2001年3月19日より超短期のインターバンク金利である「コールレート」から、「日銀当座預金残高」(→「日銀当座預金」)に切り替え、資金量を増加させて金融緩和を図った政策。政策の目的は金融システム不安の払拭(ふっしょく)と景気回復、デフレ克服にあったが、直接的には、外国為替平衡操作をともなった円高への対応や、累積する長期国債の金利高騰を防止する国債価格維持に寄与してきた。日銀当座預金残高の目標は、当初の5兆円から04年1月以降の「30兆円を下限とし35兆円を上限とする」まで漸次増加させた。日銀当座預金残高の目標達成のために、日本銀行は短期国債、国債現先、手形、コマーシャルペーパーのほか、資産担保証券(ABS)も買いオペの手段としてきた。ABS(Asset Backed Securities)とは、銀行や企業が不動産や売掛債権などの企業資産を特別目的会社(SPC)に売却し、資産から生み出されるキャッシュフローを原資としてSPCが発行する証券で、資産担保コマーシャルペーパーなどがある。