民間金融機関が他の金融機関との間の決済などのために、日本銀行の当座預金口座に預ける預金。金融機関が自由に使える手元資金の総量を表す。銀行など(都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信託銀行、外国銀行在日支店、長期信用銀行、一部の信用金庫、農林中央金庫など)は、預金に対して一定比率以上の準備金を日本銀行に預け入れることが義務付けられている(準備預金制度)。
民間銀行などの一般的な当座預金は、主に企業や個人事業主が営業資金といった業務上の支払いに利用するもので、無利息となっている。日本銀行の当座預金についても2008年10月までは無利息であった。しかし、同年の補完当座預金制度の導入により法定準備預金額を超える部分(いわゆる超過準備)については付利(金利が付加)されている。日本銀行が量的金融緩和政策により銀行などから国債を買い増すと、その対価は各金融機関の当座預金口座を通じて支払われる。量的緩和政策は、各金融機関が準備預金を超えた分の当座預金を企業への融資に充てることを狙ったものであるが、0.1%とはいえ利息が付くため預金残高が増え続け、金融機関の当座預金残高は2016年1月末で260兆円に達していた。この状況が、16年1月に日銀が次の手としてマイナス金利政策を発表した一因となっている。金利がマイナスとなれば、当座預金に預けているだけで各金融機関の資金は減少するからである。