日本銀行は2001年3月から、「消費者物価指数(CPI 全国、除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで」、量的緩和政策を継続することを約束してきた。さらに、03年10月の金融政策決定会合においては、「量的緩和政策継続のコミットメントの明確化」として、以下の三つを量的緩和政策の解除の条件とした。(1)CPIの前年比上昇率が数カ月平均してゼロ%以上であると判断できる、(2)CPIの前年比上昇率が先行き再びマイナスとなると見込まれないことが「展望リポート」の大勢見通しにより明らかになる、(3)上記の条件が満たされたとしても、経済・物価情勢によっては量的緩和政策を継続する、である。量的緩和政策の解除の道筋である「出口論」としては、(1)日銀当座預金残高の下限割れ容認、(2)日銀当座預金残高の目標の引き下げ、(3)量的緩和政策の解除、の3段階を経るのが現実的と目されてきたが、05年5月の(1)を経て、(2)の段階を飛ばしていきなり06年3月に(3)が実施された。その後、日銀当座預金残高をハイスピードで減少させるに至った。