日本経済は2012年3月ごろをピークに後退局面入りした。内閣府は12年12月に、景気動向指数の基調を「悪化」と下方修正している。その背景には欧州債務危機などを原因とする海外景気の減速がある。その後も12年夏以降の日中関係悪化などによる、自動車を中心とする輸出減少が景気の後退色を強めた。自動車は、ボディーの鉄鋼、ガラス、タイヤなど、多数の企業が生産する部品で構成されていることから、自動車輸出の減少は自動車産業だけでなく、関連する産業にもその影響が波及している。
一方、12年末ごろから、海外景気の回復を受けて今回の調整期間は短期で終わるとの見方が多い。また、14年4月に消費税率が8%に引き上げられることになっており、その駆け込み需要が14 年1~3月期に期待される。その結果、13年度はプラス成長を維持するとする経済予測が大勢となっている。もっとも、駆け込み需要は需要の先食いであることから、14年4~6月期は駆け込み需要の反動減と物価上昇に伴う実質所得低下の影響が重なり、大幅な経済活動悪化が予測される。