「農家の自主的取り組み」との建前のもと、コメの生産調整(減反)を行うとともに、コメ以外の作物に転作した場合に転作奨励金という補助金が支給された政策。背景には、戦後、食の欧米化が進む中で主食米への需要が減少する一方、戦時中にコメの安定供給を目的として成立した食料管理法(食管法、1942年制定)の適用もあった。しかし、転作奨励金の予算の減少や、休耕田や耕作放棄の問題が顕在化し、食管法も廃止(95年)されたことから、政策そのものの意義が問題視されていた。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を巡る流れの中で、アベノミクスの成長戦略の一つとして、2018年の廃止が決定された。