2009年4月10日、麻生太郎内閣(当時)が閣議決定した追加景気対策。事業規模は56兆8000億円と過去最大で、中小企業の資金繰り支援に伴う政府保証財政支出額が含まれている。国の財政支出額だけを取り上げれば、15兆4000億円になる。08年9月のリーマン・ショック以降の100年に1度といわれる不況にもかかわらず、09年度当初予算の規模は88兆5480億円にとどまり、08年度当初予算の83兆613億円に比べて伸び率は6.6%と相対的に小さかった。このため、09年度当初予算の実施以前から、緊急の追加的景気対策の必要性が唱えられていた。具体的な内容としては、(1)失業者への生活支援や住宅の提供、雇用調整助成金の充実などの雇用政策、(2)エコカーに対する購入支援やエコポイントによる省エネ家電の購入促進、(3)3歳から5歳児のいる家庭への子育て応援特別手当(子ども1人当たり年間3万6000円)などの新しいタイプの対策と、(4)三大都市圏での環状道路の整備のような従来型のタイプの対策などが挙げられており、バラマキ型の対策となっている。ただし、(3)の子育て応援特別手当は、09年10月に執行停止が決まった。