1947年に創設されたGATTのフルネームは関税と貿易に関する一般協定で、その名前が表すようにグローバルなレベルでの「通商交渉」の方針に関する協定を意味する。同時に発足するはずの、国際貿易機関(ITO)は、実現不可能となり、協定のみが存在することになった(→「WTO」)。最恵国待遇は、GATTの重要な原則であったが、この原則の下では、交渉相手に対して引き下げた関税率が第三国にも適用されるために、GATT加盟国は「ただ乗り」する第三国が少なくなるように、第5回のジュネーブのラウンドまでは、できるだけ多くの相手との交渉を同時に進める方式をとった。しかし、加盟国の増加とともに、別々の交渉を同時に進行するのは難しくなり、第6回のケネディ・ラウンドからは、GATT加盟国が一堂に集まり、すべての商品を原則として対象に含める関税交渉が行われた。ケネディ・ラウンドでは例外を除く全商品について、一律50%の関税引き下げを行うという大枠のルールが採用され、製造品の関税引き下げで大きな成果があった。その後、東京ラウンドでは、非関税障壁の削減、ウルグアイ・ラウンドでは、農業、繊維、サービス貿易の分野の自由化の推進といったように、新たなテーマが取り上げられた。また最新のラウンドは、2001年11月14日、カタールの首都ドーハで発足が決定。(→「WTO新ラウンド」)