WTO(世界貿易機関)にロシアが加盟すること。2011年12月16日のWTO公式閣僚会議で、ロシアのWTO加盟が正式に承認された。ロシアは1993年にWTOの前身であるGATTへの加盟を申請し、交渉は18年続いた。経済大国のなかで唯一未加盟だったロシアのWTO加盟によって、加盟国・地域の貿易は世界の98%に達することになる。加盟により、関税率は平均で10.0%から7.8%に下げられ、IT製品の関税は撤廃される。これまで、貿易や投資、市場開放についてのルールが不透明で、急激な制度改正や関税の変更などでも批判を浴びたロシアの貿易・投資は国際ルールの下に置かれることになり、投資環境の改善も期待される。ロシアは加盟による経済効果を中期的に550億ドルの投資増と分析しており、投資の呼び込みによって、石油や天然ガスなどの資源に依存した成長からの転換を図る考えとされる。