中央銀行が民間金融機関に対して行う手形割引・貸し付けに適用される基準金利。1995年7月に日本銀行がコールレートの低目誘導を開始するまでは、多額の日本銀行貸し出しが都市銀行などによって日常的に利用されており、日本銀行は公定歩合の変更を金融政策の最も重要な手段と位置づけていた。しかし、それ以降は公定歩合がコールレートを上回るようになったことから、いわゆる日銀特融(危機に陥った金融機関に対して日本銀行が最後の貸し手として無担保・無制限に実行する貸し出し)を例外として、日本銀行貸し出しの利用はほとんど無くなり、政策金利としての公定歩合の役割は形骸化した。また、2001年2月に、あらかじめ差し入れている担保の範囲内ならば金融機関の申し込みに対して自動的に公定歩合で貸し付ける補完貸付制度(Lombard lending ロンバート型貸出制度)が創設され、公定歩合は事実上コールレートの上限を画する金利になった。なお、06年8月から公定歩合という名称は廃止され、基準割引率・基準貸付利率に改められた。