日本銀行が金融政策の操作目標(あるいは誘導目標)として用いている短期金利。コール市場は、日本で最も古い歴史を有する短期金融市場であり、金融機関などの間で短期的な資金の過不足を調整する市場である。コール取引には、国債などの担保付きで行う有担保取引と担保なしで行う無担保取引がある。コール取引は、マネー・アット・コール(money at call)と表現されるように、よべばすぐに返ってくるような短期の資金取引であり、実行日の翌日に返済される翌日物(オーバーナイト物)が代表的な取引である。日本銀行は、2006年3月9日に量的緩和政策を解除し、金融政策の運営に当たって再びコールレート(具体的には無担保コール翌日物金利)を誘導目標とするようになった。また、コールレートの誘導目標を06年7月14日にはゼロ%から0.25%に、さらに07年2月21日には0.5%へと引き上げ、コールレートを「正常な水準」に漸次戻していこうとした。しかし、アメリカのサブプライムローン問題によって08年夏には世界的な金融危機が引き起こされ、主要各国の中央銀行が政策金利を相次いで引き下げていく中で、日本銀行も同年10月にはコールレートの誘導目標水準を、再び引き下げざるを得なくなった。