金融機関などの間で短期の資金をやりとりする短期金融市場において、信用不安から取引が収縮してしまう状態。2007年8月には、サブプライムローン問題に端を発した流動性危機が世界各国で発生したため、アメリカ連邦準備制度(FR Federal Reserve)、欧州中央銀行(ECB European Central Bank)、日本銀行など主要中央銀行は自国の短期金融市場において大量の資金供給を実施した。同年12月には、欧米の5カ国中央銀行(FR、ECB、イングランド銀行、スイス国立銀行、カナダ銀行)がそろって大量の資金を短期金融市場に供給するとともに、相互に自国通貨を交換するスワップ協定に基づいてドル資金をアメリカ以外の金融市場にも行き渡らせる仕組みを構築した。さらに、08年9月にアメリカの証券大手リーマン・ブラザーズが破綻した後、各国でのドル資金市場の流動性が枯渇状態に陥ったのを受けて、同年9月には、日本銀行を含めた10カ国に通貨スワップ協定が拡大され(総額は6200億ドル)、同年10月には、その供給資金額が無制限とされるに至った。