自己資本を総資産で割ることによって単純にレバレッジ(負債によるてこ効果)の度合いを測る指標。現行の自己資本比率規制(→「新BIS規制」)では、自己資本をリスク資産(各資産にそれぞれのリスク・ウエートを掛けた上で合計した総資産)で割ることによって計算されるリスク・ベースの自己資本比率が用いられているが、リスク・ウエートの恣意性や規制回避の動きなどもあって、サブプライムローン問題に端を発する金融危機につながった過大なレバレッジを許したと批判されている。このため、バーゼル銀行監督委員会が2009年12月に公表した、国際的な大手銀行を対象とする金融規制改革案では、投資銀行(→「インベストメント・バンキング」)などによる行き過ぎたレバレッジを抑制することを狙い、現行の自己資本比率を補完する指標としてのグロスレバレッジ比率を導入することについても、合意がなされた。なお、具体的な数値基準は、10年末までに決定される予定である。