法人企業向けの証券業務を中核にした金融ビジネスモデル(訳せば投資銀行業務)。インベストメント・バンキングの具体的な内容としては、企業の発行する株式・社債の引き受け、合併・買収(M&A)、住宅ローンなどの証券化、金利や為替変動リスクをヘッジするためのデリバティブの販売、シンジケートローン(→「協調融資」)のとりまとめなどが挙げられる。インベストメント・バンキングの代表例とされていたアメリカの業界では、サブプライムローン問題の大打撃を受けて、2008年9月に第4位のリーマン・ブラザーズが破綻したほか、同年3月に第5位のベア・スターンズ、同年9月に第3位のメリルリンチが、それぞれJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカによって買収された。さらに、同年9月には第1位のゴールドマン・サックスと第2位のモルガン・スタンレーが銀行持ち株会社に転換したことにより、業界大手はすべて姿を消した。この間、日本の証券最大手である野村証券が破綻したリーマン・ブラザーズのアジア、ヨーロッパ・中東部門を買収したほか、メガバンクの一角を占める三菱UFJフィナンシャル・グループはモルガン・スタンレーに出資して筆頭株主になるなど、日本勢の進出が目立っている。