日本銀行が2001年3月に設定した「長期国債の保有高は日本銀行券発行残高を上限とする」という自主ルール。長期国債の買いオペは、元来は成長通貨(経済の成長に伴って増加する日本銀行券の需要)を供給するためのものであり、財政赤字ファイナンスの支援や、国債価格の下支えを目的とするものではないことを明確にするためのルールである。日本銀行がデフレーション対策として10年10月5日に打ち出した臨時異例の「包括緩和政策」において、「資産買い入れ等の基金」による長期国債の買い入れは銀行券ルールの対象外と決定したことは、現在の日本経済が陥っている深刻なデフレーションを克服するためのやむをえざる措置ではあるものの、長い目でみると、日本銀行の金融政策を「財政政策の僕(しもべ)」としてしまうことにつながりかねない危険性を有している。