日本銀行が、金融システムの安定性について包括的に分析・評価した結果を示し、金融システムの安定確保に向けて関係者とのコミュニケーションを深めることを目的として年2回(4月、10月)公表するリポート。日本銀行は、2005年以来、「金融システムレポート」を公表してきたが、それと並行して、金融市場の発するシグナルを的確に把握する狙いでの「金融市場レポート」を公表してきた。しかし、最近においては金融システムの安定性を評価するに当たって、国内外の金融市場の動向を一体として分析することが、ますます重要になってきていることを踏まえて、11年には両リポートを統合し、新しい「金融システムレポート」として公表することを決定した。新しい「金融システムレポート」の第1回は、11年10月に公表されたが、その中ではマクロ・プルーデンスの視点を従来にも増して重視して金融システムの安定性を評価しているのが特徴的である。「金融システムレポート」の分析結果は、今後における金融庁との連携によるマクロ・プルーデンス政策の政策立案に活用されるものと期待される。