普通国債利回りと、元利金が物価に連動して変動する物価連動国債利回りとの差として計算され、市場関係者が将来のインフレ率をどのように予想しているのかを示す指標。日本でも2004年3月から物価連動国債の発行が開始された後、リーマン・ショック以降はデフレが長引いたため約5年間にわたり発行が停止されたものの、13年10月から発行が再開された。ブレイクイーブンインフレ率(BEI)によって市場関係者の予想するインフレ率の動向をみると、13年4月に日本銀行が黒田東彦総裁の下で異次元緩和政策を打ち出した後、BEIは一時2%近くにまで上昇したものの、13年秋以降は1%を若干上回る程度で推移している。BEIには、14年4月に予定されている消費税率引き上げの効果が織り込まれていることを勘案すると、市場が2%の物価安定目標(消費税引き上げの影響を除く)の達成を疑問視していることを示唆している。