金融取引で通常はプラスの値となる金利(利回り→「長期国債利回り」)が、マイナスになる異例の事態。例えば、短期国債などの割引債の取引の場合、通常は市場価格が額面を下回っているため、購入した投資家が満期まで保有し続ければプラスの利回り(利益)が得られるが、マイナス金利の状態では、購入価格が額面を上回っているため、購入した投資家が満期まで保有し続ければ損失を被ることになる。日本銀行が、2013年4月から異次元緩和政策を推進する中で、短期国債を含めて大量の国債を市場から買い入れている一方、銀行などは日々の資金調達の担保として一定量の国債を保有する必要があることから、短期国債を中心として国債市場での品不足感が強まっているため、国債価格の高騰とマイナス金利がもたらされた。14年7月10日に3カ月物短期国債利回りが初めてマイナスとなった後、次第に6カ月物や1年物の短期国債の取引にもマイナス金利が広がり、同年11月28日には2年物国債利回りが初めてマイナスとなった。異次元緩和の下で、日本の国債市場はかつてない異常事態に陥っている。