ファイナンスとテクノロジーを掛け合わせた造語であり、金融とIT(情報技術)の融合による革新や、それに関連した事業を実際に手がける企業を意味する。フィンテックは、インターネットを最大限に活用し、低コストで利便性の高いサービスを提供しようとしている。フィンテックの特徴としては、(1)これまで金融とは無縁であったITベンチャーや他業種の企業が幅広く参入していること、(2)サービス内容が個人向けと中小企業向けに特化していること、(3)事業者が銀行法等の規制を受けないこと、などが挙げられている。フィンテックの具体的な事例としては、スマートフォンなどのモバイル機器を使った決済サービス(→「スマホ決済」)、資金の借り手と貸し手をインターネット上で結びつけるクラウド・ファンディング、アカウント・アグリゲーションと呼ばれる家計資産管理サービスなどがある。フィンテックの登場によって日本の金融業界もIT関連企業を巻き込んだ大きな変革の時代を迎えている。ただし銀行法の業務範囲規制によって日本の銀行はフィンテック企業への投資や子会社化が認められていないため、現行法制のままでは時代の流れに乗り遅れかねない。