日本郵政グループの持ち株会社日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社が2015年11月4日に東京証券取引所第1部に同時上場したこと。1987年に上場したNTT以来の大型民営化案件として、個人投資家を中心に幅広く買い注文を集め、初値は日本郵政が1631円(公開価格1400円)、ゆうちょ銀行が1680円(同1450円)、かんぽ生命が2929円(同2200円)と上場前の売り出し価格を上回った。政府は保有する日本郵政株の売り出しによって売却益を得る。また、日本郵政が保有するゆうちょ銀行株とかんぽ生命株の売却益はいったん日本郵政のものとなるが、この売却益を見合いに日本郵政が実施する自社株買いに政府が応じる形で最終的には政府のものとなる。今回の売り出しで政府が得た売却益は約1.4兆円であり、東日本大震災の復興財源に充てられる。政府は22年度までに4兆円程度を調達する方針である。12年4月の改正郵政民営化法では、政府に対して日本郵政株を早期に売却するよう求めると同時に3分の1超を保有し続けるよう求めている一方、日本郵政が保有するゆうちょ銀行株とかんぽ生命株については全部を処分することを目指すとしている。