国・地域の金融システムの中核となる特別な銀行。通常において各国・地域の中央銀行は、(1)その国・地域で通貨(→「貨幣」)として使用される銀行券を発行する「発券銀行」、(2)一般の銀行を取引相手として預金を受け入れたり、貸し出しを行ったりする「銀行の銀行」、(3)政府の預金を受け入れ、国庫資金の出入事務を担当する「政府の銀行」、という三つの機能を果たす。通貨の発行主体である中央銀行は、通貨価値の安定(すなわち、物価の安定)に対して責任を負う立場にあり、「通貨の番人」と呼ばれる。また、一般の銀行などが流動性危機に陥った際には、必要な資金を最終的に供給できることから「最後の貸し手」とも呼ばれる。世界最古の中央銀行は、1668年に設立されたスウェーデンのリクスバンクであり、二番目に古いのがイングランド銀行(1694年設立)である。日本銀行は1882年(明治15年)、アメリカの中央銀行である連邦準備制度は1913年にそれぞれ設立された。