あらかじめ設定した国債価格の下限(すなわち、国債利回りの上限)を国債の買い支えによって維持しようとする政策。第二次世界大戦から1950年代初めにかけてのアメリカでは、同大戦中に国債残高が累増したが、財務省との暗黙の合意に基づいた連邦準備制度(連邦準備と略称、→「中央銀行」)による国債価格支持政策によって、長期国債(25年債)利回りは2.5%以下にくぎ付けにされた。具体的には、連邦準備が短期金利を低水準でくぎ付けすると同時に、長期国債の買いオペを実施した。しかし、朝鮮戦争勃発後の51年3月4日には、国債価格支持政策の継続がインフレ抑制を困難化しているとして、連邦準備による金融政策を国債価格支持政策から解放するとのアコード(政策協定)が財務省との間で結ばれ、それ以降長期国債利回りは2.5%を超えて上昇した。アコード成立日は、連邦準備の金融政策にとっての「独立記念日」であったともいわれている。一方、日本銀行が、2016年9月21日の金融政策決定会合において新たに導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和は、10年物国債利回りを0%程度で誘導するとしており、日本銀行自身による国債価格支持操作の実行宣言ともいうべきものである。