誰しもがそれぞれの人生設計(ライフサイクル・プラン)を作成するにあたって必要となる「お金」(→「貨幣」)や金融に関する知識。学校を卒業した後、会社などに就職し(独立して事業を営み)、結婚して子供を設け(単身のまま親と同居し)、自分の持ち家を購入し(マンションを賃借し)、やがては退職して老後生活に入るというのが、多くの人がたどる標準的な人生経路(ライフサイクル)であるが、その過程においては、必ずやさまざまなリスクに直面する。それらのリスクを克服して着実な人生を送るためには、毎年の所得の中から貯蓄し、時間をかけて運用(→「ポートフォリオ選択」)することにより、病気・事故に備えた資金、住宅の購入資金、子供の教育資金、老後の生活資金などを適切なタイミングで準備する必要がある。住宅購入や自動車購入などのように比較的若い世代で多額の資金を必要とする場合には、いったん借り入れを行い、その後時間をかけて返済するという選択もある。また、不幸にして家族を残したまま若死にするとか、万が一自動車事故や出火などによって多額の賠償を負うことになったりするリスクに備えて、生命保険や損害保険に入っておくのは合理的である。このように誰しもが学校を卒業するまでに、相応の金融リテラシーを習得し、さまざまな金融問題を自分で解決できる力を身に着けることが望まれる。