資金(「お金」そのもの、あるいは、「お金」で換算される購買力)の貸し借りのこと。金融取引において資金の貸し手は、借り手に対して現在時点で資金を手渡す一方で、借り手から将来時点で資金を返済してもらう約束をする。このように金融取引は、現在と将来にわたる異時点間の取引であり、将来において約束通り資金の返済が行われないかもしれないリスク(不確実性)を伴うところに、その特徴がある。家計や企業など経済を構成する主体のうち、貯蓄(所得から消費を差し引いたもの)が投資(工場・機械や住宅などの実物投資)を上回る資金余剰主体が貸し手となる一方、投資が貯蓄を上回る資金不足主体が借り手となる。通常の経済においては、家計部門が資金余剰主体であり、企業部門が資金不足主体となるが、近年の日本においては、設備投資が不活発な企業部門も資金余剰主体であり、大幅な財政赤字を続けている政府部門が主たる資金不足主体となっている。金融取引は、貸し手から借り手へと資金が直接的に流れる直接金融と両者の間に銀行などの金融仲介機関が介在する間接金融に大別される。