日本の1万円札、アメリカの100ドル札、ユーロエリアの500ユーロ札などのように額面の大きな紙幣。高額紙幣は、脱税、密輸、マネーロンダリングなどの手段として用いられることが多いため、高額紙幣を廃止すべきだとする議論が世界的に高まっている。実際に欧州中央銀行は、2018年末を以って500ユーロ札の新規発行を打ち切ると16年4月に発表した(ただし、既存の500ユーロ札は引き続き使用できる)。日本銀行が発行するお札の残高は、17年末で106兆円(前年比+4.1%)と8年連続で過去最高を更新中であるが、金額ベースで1万円札の占める比率は93%であり、この比率は近年上昇傾向にある。預金金利が限りなくゼロ%に近い一方、当面はインフレーションのリスクが小さいと預金者が判断して1万円札でのタンス預金を増やしているためとみられる。