トークン(擬似コイン)と呼ばれる新たな仮想通貨の発行による資金調達。ベンチャー企業などが、インターネット上で新たな事業計画書を公開し、賛同した投資家から、ビットコインなど流動性の高い既存の仮想通貨を代金として払い込んでもらう形で独自の「トークン」を発行する。投資家は、受け取った「トークン」で事業計画によって実現するサービスや製品を購入できるほか、「トークン」が市場で流通するようになれば、上場先の仮想通貨取引所などで換金できるようになる可能性もある。ベンチャー企業などにとって従来の資金調達方法の主流であったIPO(新規株式公開)と類似した仕組みであるが、「トークン」への投資家は、株式と違って配当などを受け取る権利を有しないため、もっぱら上場後の値上がりを期待した投機的な取引になっているといわれている。中国や韓国では、当局が金融秩序を乱す詐欺的行為であるとしてICO を全面的に禁止する動きに出ているほか、アメリカのSEC(証券取引委員会) も規制に乗り出しているが、日本では業界の自主ルールに任せられているのが現状である。