ビットコインなどの仮想通貨(法定通貨ではないものの、インターネット上で支払い決済手段として機能しているもの、または、暗号で書かれているお金)を取り扱う取引所。2014年にはビットコインの取引量で世界最大の取引所だったマウントゴックスが破綻し、顧客から預かっていた資金やビットコインが大量に消失するという事件が発生したが、そうした事態を踏まえて、15年12月17日に金融審議会「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」の最終報告書がとりまとめられ、仮想通貨に対する規制の枠組みが盛り込まれた。これを受けて監督官庁としての金融庁は、16年の通常国会に関連法案を提出する。同法案では、仮想通貨の取引所を登録制とし、登録した事業者はマネーロンダリングを防ぐ観点から警察庁が所管する犯罪収益移転法の対象に加えられる。これにより事業者は、口座開設時の本人確認や取引記録の作成保存、疑わしい取引の届け出を義務付けられる。また、取引所は、利用者保護のため、最低資本金などの財務規制を課され、顧客資産の分別管理を義務付けられる。公認会計士による外部監査の対象となるほか、金融庁による検査や業務改善命令の対象にもなる。なお、広義の仮想通貨には、ビットコインのように暗号技術をベースとする暗号通貨に加えて、従来からの電子マネーなども含まれることがある。