株主が出資した資本をもとに、どの程度の利益を上げたのかを測定する収益性の指標。指標は当期純利益を株主資本で除して算出される。最終的に株主に帰属する利益は、債権者に対する支払利息や税金等を控除した後の利益なので、分子には当期純利益を用いる。ここで問題となるのが、分母の株主資本である。2005年12月に、従来の「資本の部」が「純資産の部」に変更されたからである。ROE算出のための分母にどの数値を用いるかは多くの考え方が存在するが、金融庁と東京証券取引所は「純資産の部」から少数株主持分と新株予約権を控除した値を自己資本として示しており、有価証券報告書や決算短信で開示されるROEの計算にはこの数値が用いられる。
〔自己資本利益率=
当期純利益÷(純資産
-新株予約権-少数株
主持ち分)〕
この自己資本には従来の「資本の部」に加えて繰延ヘッジ損益が含まれるため、分析を行う際には分析視点に応じて新旧両指標の使い分けが重要になる。