財務報告の目的や財務諸表の構成要素の定義といった、財務会計の基礎概念を体系化したもので、会計基準が設定・改廃されるときのよりどころとなる。これまで、アメリカ、イギリス、国際会計基準審議会(IASB)などはすでに概念フレームワークを公表しているが、日本は公表しておらず、各方面からその必要性を指摘されてきた。そこで企業会計審議会は外部の研究者を中心としたワーキング・グループを組織し、検討してきた結果、2004年7月に「討議資料-財務会計の概念フレームワーク」を公表した。この討議資料は06年5月に立ち上げられた基本概念専門委員会によってさらに検討が加えられ、06年12月に企業会計基準委員会(ASBJ)から正式に公表されている。討議資料の内容は、(1)財務報告の目的、(2)会計情報の質的特性、(3)財務諸表の構成要素、(4)財務諸表における認識と測定から構成されている。