自社の発行済み株式の一部を企業自らが市場から買い戻すこと。日本では1994年の商法改正により可能となり、95年の見なし配当課税凍結(見なし配当課税は自社株消却で1株当たりの価値が増価するとその分を配当とみなし課税すること)、98年に資本準備金による償却、2001年には償却やストックオプション以外の目的で自社株式を取得・保有することが認められた(金庫株)。さらに、03年の商法改正では、一定の財源の範囲内で取締役会の決定によって自社株買いを行うことが可能となった。これを受けて自社株買いを活用する企業が増えている。経営者が自社株買いを行うおもなインセンティブは、ストックオプション利用のための株式確保、株式交換を用いたM&Aのため、配当金支払額の削減、株式の償却によるROEの改善等があげられる。また、自社株を購入することで1株当たり利益が増加するため、配当に代わる株主還元策としても用いられる。