四半期ごとに行われる財務情報を中心とする企業情報の開示のこと。アメリカやカナダでは1970年代から制度化されていたが、近年、アジアやヨーロッパにおいて四半期開示制度の導入が進んでいる。従来、日本の証券取引法上では半期ごとの開示が求められていたが、世界的な潮流を受け、各証券取引所で取引所規制による四半期開示制度の導入が進んだ。当初、新興市場がその対象となったが、2003年からは一般市場でも義務付けられるようになった。08年からは、金融商品取引法により上場企業に四半期開示が義務付けられるようになった。これに先立って企業会計基準委員会(ASBJ)より「四半期財務諸表に関する会計基準」および「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」が公表された。また、法定開示化されることで虚偽記載等に対する罰則が適用されることになり、開示内容の信頼性が高まったとされる。しかし、実務界から四半期財務諸表作成の実務負担が大きいとの声があったため、11年3月に「四半期財務諸表に関する会計基準」の改訂が行われ、四半期財務諸表は大幅な簡素化がはかられている。