国際財務報告基準(IFRS)そのものの適用可能性を探る動き。日本の会計基準はIFRSと日本基準のコンバージェンスを進めることによって、その品質や国際基準との整合性を確保する方向で整備が進められていた。しかしながら、2009年に入ってからIFRSの適用に向けた課題や適用時期、今後の方向性などに関する議論が進められている。たとえば、09年6月16日には企業会計審議会(金融庁)から「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」が公表されており、その中では12年をめどにIFRSの強制適用を判断することが示されている。その一方で、11年6月21日には自見金融担当大臣が談話を発表し、IFRSに関しては「2015年3月期からの強制適用は考えておらず、仮に強制適用する場合であっても、その決定から5~7年程度の十分な準備期間の設定を行うこと」としている。なお、10年3月期以降、一定の要件を満たす上場企業では連結財務諸表にIFRSを任意適用することが認められており、14年2月現在、日本におけるIFRS任意適用会社数は17社、また任意適用予定会社数は11社である。