投資会社M&Aコンサルティングや投資顧問会社MACアセットマネジメントなどが運用する投資ファンドの総称。旧通商産業省出身の村上世彰氏が1999年に設立し、2000年の昭栄に対する日本初の敵対的TOB、02年の東京スタイルに対する株主提案などで、株主価値向上を掲げて上場企業の経営者に注文を付ける「モノ言う株主」として名を上げた。その後も、ニッポン放送、大阪証券取引所、東京放送、阪神電気鉄道などの株式を大量に取得して注目を集め、06年3月時点での運用資産総額は4400億円に達した。しかし、同月にはファンドの拠点をシンガポールへ移すと発表、6月には、ニッポン放送株式をめぐるインサイダー取引容疑で村上氏が逮捕、起訴されるに至った(07年7月一審で有罪判決)。大株主として経営者に意見を言うアクティビストとよばれる投資ファンド自体には何ら問題はないが、違法なインサイダー取引は許されない。村上氏の起訴後、ファンドは活動を停止した。