有価証券などの投資勧誘を行う際に、適合性原則や、契約前や契約時の書面交付義務など投資家保護のための勧誘ルールの適用対象とならない投資家。金融商品取引法は、幅広い投資商品に関する勧誘ルールの横断化を図ったが、そのようなルールによる保護を受けなくとも、自ら適切な情報を入手し、投資判断を下せる投資家もいる。それにもかかわらず規制を一律に適用すれば、業者の規制負担が過剰になり、効率性が低下するという弊害もある。そこで、一定の要件を満たすプロの投資家を特定投資家とし、勧誘ルールの適用対象外とした。法は、国、日本銀行、適格機関投資家(開示規制の適用除外とされる銀行や機関投資家など)を特定投資家と定めたほか、内閣府令によって上場企業や一定の資産を有する個人も加えられた。内閣府令で追加された特定投資家は、希望すれば一般投資家としての取り扱いを受けることができる。逆に、一定の要件を満たす一般投資家が、特定投資家としての取り扱いを受けることも可能である。