上場企業の株式を5%を超えて保有することになった場合に、その事実を速やかに(原則5営業日以内)開示させる制度。5%ルールともよばれる。上場企業の経営支配権の異動は、投資判断に大きな影響を与える。また、企業としても大株主の異動を把握しておきたいという意向がある。大量保有報告書制度には、銀行、証券会社、機関投資家など日常的に株式の売買を行う者に適用される特例があり、特例対象者が10%以下の株式を会社の経営を支配する目的以外で保有する場合には、3カ月に1度の基準日時点での状況を開示することで足りるものとされてきた。しかし、この特例のために村上ファンドなどの株式保有状況が不透明になったとして批判が高まり、金融商品取引法では、特例対象者についても月2回の報告を義務づけたほか、会社の事業活動に重要な影響を与えるような提案を行う場合には特例を利用できないこととした。この結果、日本の大量保有報告書制度は、諸外国にはみられない厳格な規制を課すものとなっている。