上場企業に対して財務諸表や株主情報といった財務報告にかかわる内部統制システムの確立と、その有効性に関する経営者による評価と報告、当該報告に対する外部監査人の監査を求める制度。アメリカのサーベンス・オクスレー法(SOX法)の規定にならって金融商品取引法で制度化された。2009年3月期の有価証券報告書提出時からすべての上場企業が実施を義務づけられる。エンロン事件を始めとするアメリカの会計不正問題は、「対岸の火事」とみなされがちだったが、04年秋以降、西武鉄道による主要株主に関する虚偽開示、カネボウによる巨額粉飾決算など日本企業の情報開示(→「情報開示制度」)をめぐる不祥事が相次ぎ、内部統制の強化が求められることになった。内部統制システムの確立と監査の実施には、業務プロセスの文書化などで多大なコストを要する可能性もあり、企業の活力を削ぐような過剰規制とならないよう、制度の実施にあたる監査人等には十分な配慮が求められる。