企業の買収(acquisition)及び合併(merger)。買収とは、ある会社の株式を現金や自社の株式を対価として取得し、子会社とすること。合併とは、二つ以上の会社が契約により一つの会社となることで、通例、消滅する会社の株主に対して、存続会社の株式が割り当てられる。いずれも、会社の事業規模の拡大や新規分野への進出などをねらいとするが、合併には、当事者となる会社の株主総会の特別決議による承認が必要であるのに対し、買収は、単なる株式の取得であり、そうした手続きは必要ない。かつては日本企業は自前主義を好み、グループ会社間以外でのM&Aはまれであった。しかし、時代の変化に即応して事業の再編を行うには、「時間を買う」M&Aが有効である。最近では、対象会社の経営陣が同意していないのに買収を試みる敵対的買収や買収に資金を提供する買収ファンドも登場し、日本企業を巻き込むM&Aが活発化している。