経営が行き詰まった企業や、親会社の戦略転換で売却されることになった事業部門などを投資対象とするファンド。投資方針や戦略の違いによって、経営陣による買収（MBO）を支援するMBOファンド、不振企業を立て直す再生ファンド（corporate revitalization fund）、投資先企業の破たんも念頭に置いて債権回収を進めるハゲタカファンド（vulture fund）などがある。通常、数年以内に投資先の売却や株式公開によって利益の実現をめざす。不動産投資やベンチャーキャピタル投資とともに、オルタナティブ・インベストメント（代替投資　alternative investment　株や債券など伝統的な投資に代わる投資）の一例であり、公開会社以外に投資する点では、プライベート・エクイティ（private equity）の一種でもある。多くのファンドは、投資先の経営に直接携わるハンズ・オン型の投資を行っており、短期的な観点から会社を食い物にするというイメージは一面的に過ぎる。