敵対的買収が仕掛けられた場合に、買収者以外のすべての株主に対して普通株に転換できる優先株や新株予約権を発行し、買収者の持ち分割合を希薄化させる仕組み。1982年にアメリカで考案され、敵対的買収に対する防衛策として、幅広い企業が導入している。日本でも、2005年のニッポン放送事件を機に、買収防衛策に対する関心が高まり、実際に導入する企業も現れた。あらかじめ新株予約権を信託しておき、発動時に、買収者以外の株主に割り当てるという仕組みが多い。05年5月に発表された経済産業省と法務省による「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」では、ポイズンピル導入の可能性を認めつつも、(1)原則として株主総会の承認を得ること、(2)発動にあたっては社外取締役等によるチェックを受けること、(3)他の株主の利益を害しないこと、などを求めている。信託銀行に支払う信託報酬など導入コストが大きいため、日本では、より簡便な事前警告型の買収防衛策を導入する企業が増えている。