ある会社が他の会社を完全子会社化するために、子会社となる会社の株式を新たに発行する自社(親会社となる会社)の株式と交換すること。いわば、自己株式を買収資金の代わりに利用する買収(M&A)である。1999年10月施行の商法改正によって認められた。同時に導入された類似の制度として、既存の会社が新設会社の完全子会社となる株式移転制度がある。97年の独占禁止法改正によって、戦後一貫して禁止されてきた純粋持ち株会社(pure holding company 事業をもたず、株式所有によりほかの会社の事業活動を支配する会社)の設立が認められた。しかし、既存の会社が持ち株会社を設立してその傘下に入るためには、現物出資による会社設立後の営業譲渡や新規に設立した会社による既存会社に対する株式公開買い付け(TOB)などの複雑な方法をとる必要があった。また、アメリカでは、現金ではなく株式を利用した企業買収が活発である。こうしたことを背景に、企業再編に役立つとの観点から制度が改められた。