経営危機に陥ると金融システムに悪影響を及ぼす、すなわち大きなシステミック・リスクをもたらし得る、グローバルに活動する金融機関(銀行に限られない)のこと。大き過ぎてつぶせない「トゥービッグ・トゥーフェイル」なグローバル金融機関とも言えよう。G-SIFIsにはバーゼル3だけではなく、新たな規制・監督を導入することが2010年11月ソウルG20首脳会議で合意され、各国の金融監督当局の集まりであるFSB(金融安定理事会 ; Financial Stability Board)がG-SIFIsを特定する基準を定め、11年11月のカンヌG20首脳会議で29行の最初のリストが公表された。日本からは三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループが入った。新たな規制・監督には、危機予防の枠組みとして一段と高い自己資本比率の要求や、危機発生時の枠組みとしてコンティンジェント・キャピタル(自己資本が毀損〈きそん〉されると自動的に自己資本に転換される債券のこと ; contingent capital)の活用やリビング・ウィル(平常時から当局に対して定期的に提出する、危機発生時の資産売却や事業見直しの計画や市場に必須の業務継続のための人員やシステムに関する情報など ; living wills)の策定などが含まれ、11年半ば~12年にかけて詳細が発表される予定である。