投資アドバイスや株式・債券・投資信託などの売買・管理といった様々な資産運用関連サービスを一括(包み込む=ラップ)して提供する口座のこと。投資家が支払う手数料も個別の取引・サービスごとにではなく、口座の資産残高に応じた一定の料率で支払われる。アメリカではマネージド・アカウントとも呼ばれる。とくに1990年代以降、個別銘柄ではなく口座資産全体のポートフォリオとしての投資収益に注目すべきだという考え(資産管理型営業)が中核になった証券リテール・ビジネスにおいて、主力のサービスとして普及している。ラップ・アカウントには主にSMAとファンド・ラップがある。SMA(separate management account)は投資家と一任契約を結んだ証券会社が運用目的に沿って1社ないし複数の投資顧問会社をサブ・アドバイザーとして採用し、株式・債券で構成するカスタマイズされた投資家独自のポートフォリオで運用するサービスで、投資信託のテーラーメード版とも言える。従来は機関投資家限定だったサービスが、ITの進展で手間・コストが軽減され実現した側面もある。ファンド・ラップは同様に複数の投資信託でポートフォリオを構成するサービスである。近年、日本でも同様のサービスが始まっている。