1944年7月に、アメリカ・ニューハンプシャー州のブレトンウッズ(Bretton Woods)で開かれた連合国通貨金融会議で設立が決定され、45年に正式に設立、47年から業務を開始した国際機関で、アメリカの首都ワシントンに本部がある。IMFから融資を受ける場合には政府はIMFと協議して金融・財政政策の引き締めを基本とする経済調整プログラムを策定して順守する必要がある。この融資条件のことをコンディショナリティー(conditionality→「IMF貸し出しのコンディショナリティー」)とよぶ。90年代には、旧社会主義国の市場経済体制移行のための技術支援(technical assistance)や、94年のメキシコ危機、97年のアジアの通貨危機などでも、資金提供や経済安定化プログラムの作成で大きな役割を果たした。日本は52年にIMFに加盟し、現在IMFの出資割当額(IMF quotaで投票権もほぼこれに比例する)ではアメリカに次ぎ第2位となっている。現在の割当額決定方式ではヨーロッパの比重が高すぎることが問題視され、成長の著しいアジア諸国の割り当てを増加させる必要が指摘されている。IMFは外貨が不足する国に対して貸し出しを行うことで、金利収入を得てその経費を賄っているが、2000年代半ば以降、順調な世界経済動向を反映して貸し出しが急減し、実質赤字に陥っている。そこで、IMFが保有する金を売却して国債などの有価証券で運用し、その金利収入で赤字を補填することが提案されている。(→「国際通貨体制の歴史」)