信用不安に見舞われ、資金繰りが困難になった国を支援するためのユーロ圏の金融安全網(セーフティーネット)。ドイツやフランスなどユーロ圏17カ国が出資し、2012年10月に発足。ユーロ圏の金融安全網としては時限的な欧州金融安定基金(EFSF European Financial Stability Facility)がすでにあるが、ESMは常設の枠組み。このためヨーロッパ版の国際通貨基金(IMF)とも位置づけられる。10年12月の欧州連合(EU)首脳会議で設立が決定。当初、EFSFが新規融資を打ち切る13年6月の発足予定だったが、ヨーロッパ不安の広がりを受けて1年近く前倒し。新規の融資可能額は、EFSFの使い道が決まっていない分との合計で、13年半ば時点で5000億ユーロ(約50兆円)と想定。EFSFのうち使い道が決まっている2000億ユーロと、EUの融資制度など1000億ユーロ分を含めると、ユーロ圏の金融安全網は総額で約8000億ユーロ。