期間の定めのある労働契約。労働基準法(14条)により、契約期間の上限は3年とされているが、更新は可能。博士号の取得者など、高度の専門的知識等を有する者や満60歳以上の高齢者の契約期間は、特例として5年が上限とされる。更新の拒否を雇い止めという。同法の定めを受け、大臣告示「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」は、従来、使用者が労働契約の締結に際し更新の有無について明示しなければならないこと、および更新する場合があるとしたときは、更新する場合またはしない場合の判断基準を明示しなければならないことのほか、雇い止めの予告や理由の明示についても、解雇と同様の取り扱いをすべきことを規定していた。こうした中、2012年には、労働契約を更新することがある場合には、その判断基準の明示を書面で行うことを省令で定める(告示の省令への格上げ)とともに、更新期間を含む契約期間が5年を超えれば(ただし、6カ月のクーリング期間を置けば、契約期間は通算されない)、無期契約への転換権を労働者に認めること等を内容とする法令改正(労働基準法施行規則および労働契約法の改正)が行われた。13年には大学等で勤務する研究者(非常勤講師を含む)や技術者について、この5年を10年に延長する特例が議員立法によって認められるに至っている(14年4月1日施行)。