有期労働契約の労働者が、権利行使により無期労働契約へ転換すること。複数の有期労働契約の通算契約期間が5年を超えると、労働者には無期労働契約への転換を求める権利が発生する。その際、途中に空白期間があっても、その期間が6カ月に満たない場合には契約期間は通算される。労働条件についても、別段の定めがある部分を除き、有期労働契約と同一の条件がそのまま引き継がれる。労働契約法には、このような要件を満たす有期契約労働者が、期間の定めのない労働契約の締結の申し込みをした時は、使用者は当該申し込みを承諾したものとみなす、と定めた無期転換規定(第18条)が存在する。契約期間の通算については、2013年4月1日以降に締結または更新された有期労働契約のみが対象とされており、無期転換の問題が現実化するのは早くても18年4月1日以降となる。16年時点であれば、無期転換規定の適用を受けることなく、その対象者を選抜できる。大企業を中心に無期転換の動きが昨今加速化しているが、その背景には、労働力不足が続く中で優秀な労働者をできるだけ多く確保しておきたいという企業の思惑の他、そうした事情もあると考えられる。