使用者は労働者に対して、三六協定に定める範囲内においてのみ、時間外労働（1日8時間または1週40時間の法定労働時間を超える労働）を命じることができる。現在、三六協定に定める時間外労働の上限は、厚生労働大臣の定める告示によって規定されているが、強制力はない。2018年の法改正では、こうした大臣告示ではなく、労働基準法そのものに時間外労働の上限（1カ月45時間、1年360時間）を定め、これに違反して労働者に時間外労働をさせた場合は使用者に罰則を科す規定の新設が予定されている。また臨時的な特別の事情がある場合には、労使の合意により、この上限を超える協定の締結を認めるものの、こうした特例に関しても上限（1カ月100時間未満、１年720時間）を設けることとされている。