クラスターは、ブドウの房や魚の群れを意味し、産業クラスターは、取引・技術・情報・資金・人材の要素がブドウの房状に連結して産業が集積し、形成される姿。筆者は、産業クラスター政策についてアジア・モデルを見いだし、フローチャートの必要性を示した。それは、公的部門が工業団地を開発、キャパシティー・ビルディング(能力構築)として物的インフラ整備、制度整備、人材育成、生活環境整備を行い、アンカー企業をよぶ政策で、アンカー企業の関連企業が工業団地に多数入居することで集積が進み、産業クラスターが形成され、地域的経済成長につながる。アジアでは、2006年にはキヤノン効果によるベトナム北部の電子産業クラスターは、直接投資拡大によりさらに発展し、中国・天津ではトヨタ効果による自動車産業クラスターの発展が顕著である。また、天津濱海新区、珠江デルタ自動車産業クラスターなど、産業クラスター政策が地域振興の中心となった例も多い。