1997年7月制定の食料・農業・農村基本法(新基本法)第15条に基づき、新基本法の掲げる理念を具体化するための総合的な計画。5年ごとに施策の効果や情勢の変化を見ながら見直すことになっている。基本計画は、食料自給率の目標値を掲げ、その上で、(1) 食料の安定供給の確保、(2)農業の持続的な発展、(3)農村の振興、という基本的施策に沿って具体的な取り組み課題を定めている。2010年3月に00年、05年に続く3回目の基本計画(新基本計画)が閣議決定された。新基本計画は、過去の農政の反省を踏まえ、食料・農業・農村政策を国家戦略の1つとして位置づけ、大幅な政策転換を図ることとする。意欲ある多様な主体の創意工夫を引き出し、農業・農村の潜在力が最大限に発揮され、国民が将来に明るい展望を描くことができるよう、各般の施策を定め、それらを一体的に推進し、「食」と「地域」の早急な再生を図っていくと明記している。この理念の下、過去の基本計画と同様、基本的施策に沿って今後、取り組むべき具体的課題が設定された。供給熱量ベースの食料自給率の目標(20年度)は過去2回の基本計画の45%から50%に引き上げられ、(1)では食の安全と消費者の信頼確保、(2)では戸別所得補償制度の導入、(3)では多面的な機能を有する農村の再生に重点が置かれている。また、(2)と(3)にまたがる形で生産者が加工、販売などにもかかわる農業・農村の6次産業化が強調され、それとともに消費者と生産者または都市と農村の交流や多様な連携軸の構築などの推進が必要とされている。