政府の「食と農林漁業の再生推進本部」が、経済連携の推進と食料自給率の向上や国内農業・農村の振興とを両立させ、持続可能な力強い農業を育てるための対策として決定した基本方針・行動計画(2011年10月25日決定)。正式名称は「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」。「食と農林漁業の再生実現会議」が10年11月以来、7回の会合を経て検討し作成した案がもとになっている。基本的考え方では、需要に応じた農業を実現するとともに6次産業化の推進により農林漁業をさらに成長産業化すること、円滑な経営継承により担い手を確保するとともに土地利用型農業では規模拡大を図り構造改善を実現すること、農林漁業に優秀な人材を呼び込むこと、農林漁業の多面的な機能を維持するためにセーフティーネットを提供すること、などが掲げられている。具体的な戦略として、新規就農の増大、農地集積の推進、6次産業化の推進などによる農業の競争力・体質強化、農村漁村における再生可能エネルギーの生産・利用の推進、森林・林業および水産業の再生などが定められた。加えて、東日本大震災の影響を受け、震災に強い農林水産インフラの構築と食と農林漁業における原子力災害対策が戦略に盛り込まれた。